高血圧の原因
脳卒中や心筋梗塞など、危険な病気のリスクを上げる高血圧。その原因には、生活習慣が大きく関連しています。この記事では、高血圧対策にはどのような生活を送ったら良いのかを紹介していきます。
高血圧を改善する生活習慣
血圧を良くするためには、大きく分けて「食生活の見直し」「適度な運動」「ストレスを溜めない」「禁煙」が重要です。
食生活の見直し
高血圧対策の要となるのが「食事」です。ポイントは「減塩・野菜・節酒」になります。
食塩は1日6g未満が目標です。日本人の平均摂取量が約10g/日ですから、かなり減らす必要があります。濃いめの味付けにしがちな方も、少しずつ塩分を減らしていきましょう。
野菜や果物に含まれるカリウムは、余分な塩分を排出する効果があるため、高血圧対策に効果的です。是非、積極的にとるようにしましょう(腎臓に病気のある方はとりすぎも注意が必要です)。
高血圧に効果的な食事として、「DASH食」があります。DASH食とは、カリウムなどのミネラルが豊富に含まれたバランスの良い食事で、血圧を下げる効果があります。また、「DASH-sodium食」というものもあります。これはDASH食に減塩を組み合わせているため、より効果的です。
お酒の飲み過ぎも血圧を悪化させるだけでなく、脳卒中などのリスクを高める可能性があります。沢山飲んでしまいがちな方は気をつけましょう。
適度な運動
日常生活に適度な運動を取り入れることで、血圧を下げることができます。おすすめはジョギングや早歩きなどの有酸素運動です。朝少し早く起きてジョギングしてみたり、忙しい方も仕事の行き帰りなどで速歩きを実践してみたり、できる範囲から始めてみましょう。
ストレスを溜め込まない
実は、ストレスの存在は高血圧のリスクを2倍高めると言われています。ストレスを溜め込むと、交感神経が活発になり、ノルアドレナリンという物質が血液中に流れていきます。このノルアドレナリンが血管を収縮させるため、血圧が上がると考えられています。ストレスの多い方も、たまにはリフレッシュして、なるべく溜め込まないようにしましょう。
禁煙する
タバコは高血圧のリスク要因であるだけでなく、脳卒中や心筋梗塞といった、高血圧に続いて起こる病気のリスクを上げてしまいます。癌などの病気にもかかりやすくなってしまいますから、その意味でも禁煙はとても重要です。さらに、受動喫煙にも同じようなリスクがあると言われています。ご自身はタバコを吸わないという方も、タバコの煙を吸ってしまう環境がないかチェックしてみましょう。
家庭での血圧の測り方
ここまで、日常生活でできる高血圧の対策を見てきました。とはいえ、いくら血圧を下げたいとは思っても、次の健康診断までモチベーションを保つのは大変です。そこで、血圧計を使って家庭血圧を測ってみるのはいかがでしょうか?
測るタイミングは、朝(起きて1時間以内)と夜寝る前。測定の際には、2回測ってその平均を取るようにしましょう。毎日記録して血圧を「見える化」することで、モチベーションを高く保てるようにしましょう。
生活習慣で血圧が改善しない場合
生活習慣を変えてみたのに血圧が良くならない…。そんな時はどうしたら良いのでしょうか?
薬による治療
生活習慣によって十分に血圧が下がらない場合は、「降圧薬」という種類の薬を使うことになります。これには医師の診察が必要です。
原因が明らかな「二次性高血圧」の場合も
高血圧の裏には、他の病気が隠れていることもあります。その場合は、生活習慣や降圧薬だけではなく、その病気に対する治療が必要になることがあります。また、薬やサプリメントなどが高血圧を引き起こすこともあります。
血圧が高い場合はまず受診を
高血圧の対策は、専門的な知識を持った医師にかかることで、一人一人に合った方法が見つかり、場合によっては特定の原因が見つかることもあります。
MIZENクリニックでは、平日夜18-22時までの診察、オンライン診療に対応しておりますので、お忙しい方も安心して来院いただけます。ネット予約も行っておりますので、待ち時間も短縮できます。血圧が気になる方は、ぜひ一度ご来院ください。
参考文献
日本高血圧学会. 高血圧治療ガイドライン2019.
Steptoe A, Kivimäki M. Stress and cardiovascular disease: an update on current knowledge. Annu Rev Public Health. 2013;34:337-354.
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