新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言がなされ、外出を自粛されている方やリモートワークをされている方が多くなっている現在ですが、皆さまどのようにお過ごしでしょうか?
緊急事態宣言は5/25をもって解除されましたが、引き続き緊張感をもって生活することが求められます。この記事では外出自粛下における運動の重要性について解説し、具体的な提案を行いたいと思います。
自粛下における運動の重要性
なぜ外出自粛下において運動が重要になるか、それは運動が糖尿病や高脂血症をはじめとする生活習慣病の予防や改善に有効だからです。自粛期間中は運動量が大きく減少するため、これらの疾患を予防・改善するためには自ら意識的に運動する必要があります。
これらの疾患は生活の質を下げますし、何より万が一新型コロナウイルスに感染した場合、基礎疾患がある場合とない場合では重症となる確率に大きな差があることが分かってきているからです。
厚生労働省によるとこのような基礎疾患には糖尿病や心不全が含まれ、心不全のリスク要因として高脂血症などが挙げられるため、運動による糖尿病や高脂血症の改善は直接的・間接的に自らの命を守ることに繋がります。
なぜランニングなのか?どれくらいランニングをすればいいのか?
糖尿病や高脂血症などの生活習慣病を予防するという観点では有酸素運動が推奨されます。有酸素運動とは呼吸を続けながらある程度の時間続ける運動のことを指します。
つまりランニング、ジョギング、ウォーキング、サイクリングなどを指します。これらの有酸素運動は自分が少し辛いと思う程度のスピードで20~30分程度運動することをできれば毎日続けることがこれらの基礎疾患の予防によいとされています。
ここからは、主にランニングについて解説していきます。
ランニングは不要不急の外出にあたるのではないのか?
続いては多くの方が疑問に思っている「ランニングは不要不急の外出にあたるのではないのか?」について解説していきます。
運動をする機会の減少について
ランニングなどの運動は、生活習慣病を予防する効果があるだけでなく、自粛期間中のストレスを発散することで、メンタルヘルスにも良い効果をもたらします。
しかし緊急事態宣言とそれに続く状況のなか、不要不急の外出の自粛が叫ばれていることで、運動をする機会が取りにくくなっていると思います。この記事を読んでいる方の多くはこの状況でランニングをすることが不要不急の外出に含まれるのではないか心配なさっていると思います。
政府と厚生労働省の見解
これに関しては厚生労働省の発表で人と接触しない場合のジョギングやウォーキングなどの活動は感染リスクが低いとされています。
また安倍総理大臣も4月7日の緊急事態宣言発令時の記者会見にて「今までどおり、外に出て散歩をしたり、ジョギングをすることは何ら問題ありません。」と発言しています。つまりランニングは不要不急の外出には当たらず問題ないということになります。
ランニングをする上での注意点
ここまでの記事でランニングが疾患予防に適していること、ランニングは不要不急の外出には相当しないことを解説しました。しかしランニングをするにあたってはいくつか注意点があります。
ランニングをする際の社会的距離(ソーシャルディスタンス)
たとえ問題ないとされているとしても外出している以上感染の危険性があるのではないかと心配な方もいらっしゃると思います。これに関してはiPS細胞でノーベル賞を受賞した京都大学の山中伸弥教授のHPにて注意すべき点が挙げられていたためご紹介したいと思います。
新型コロナウイルスの感染を防ぐための社会的距離(ソーシャルディスタンス)の重要性が高まっていますが、よく言われる2mというのは活動量が低い≒動いていない場合の話で、海外の報告によるとウォーキングでは4m、ジョギングでは10mの社会的距離を他人との間にあけることが望ましいとされています。
その他の注意点
なるべく人通りの少ない早朝や夜間が推奨され、前を走る人がいる場合は少し横にずれることが推奨されます。そして人通りがある程度ある場合はマスクの着用と必要なソーシャルディスタンスが小さいウォーキングを選択することが推奨されます。
また夜間は交通事故の危険性があるため反射板やライトを装着すること、これからの時期は熱中症の危険性があるため気温の最も高くなる時間帯での運動は避け、水分補給を欠かさないことなどが挙げられます。
しかし自販機などで飲料を購入するのはボタンを触ることになるため感染予防の観点からして控えるべきでしょう。
運動と免疫力についての注意
ランニングをする上で気をつけたいことは走り方だけではありません。適切な運動は基礎疾患を予防し、免疫力を高める効果がありますが、過度な運動はかえって一時的に免疫力を下げてしまう可能性があります。
自分が少し辛いと思う程度のスピードで20~30分程度運動することを毎日続けるのが基礎疾患の予防によいとされていますが、特にこれからランニングを始めようという人は最初から疲れすぎるようなことはせず、無理のない範囲から始めるようにしてください。